マンモグラフィの「ぎゅっ」には、あなたを守る優しい理由があります。

「乳がん検診に行かなきゃ」と思いつつも、なかなか足が向かない…そんな方が多くいらっしゃいます。
特に、マンモグラフィ検査の「胸を強く挟んで痛い」という噂を聞くと、怖くなってしまいますよね。
検査が痛いかもしれないと思うとためらってしまうのは当然のことです。
今回は乳腺の専門医として、「なぜマンモグラフィでは胸をぎゅっと圧迫する必要があるのか」について、分かりやすくお話しします。
理由が分かると、少しだけ安心して一歩を踏み出せるかもしれません。
なぜ、わざわざ胸を挟んで平らにするの?
マンモグラフィは、胸のレントゲン写真です。
立体的な胸をプラスチックの板で挟んで、薄く平らに広げた状態で撮影します。
わざわざ痛い思いをさせているように感じてしまうかもしれませんが、実はこれには「検査の精度を上げ、あなたの身体を守る」という、とても大切な2つの理由があるのです。
理由1. 隠れている「小さなサイン」をはっきりと見つけるため
女性の胸は柔らかい脂肪だけではなく、脂肪よりも硬い母乳を作るための組織である乳腺が立体的に重なり合っています。
胸をぎゅっと挟んで広げることで乳腺の重なりが薄くなり、乳腺の中に隠れている「ほんの小さな変化」や「病気のサイン」を画像としてハッキリと捉えられるようになります。
理由2. 体に当たる放射線の量を、できるだけ少なくするため
胸に厚みがあるままだと、中の様子を写すためにより多い放射線量で撮影しなければならなくなります。
しかし、胸を薄くのばせばのばすほど、撮影に必要な放射線の量は少なくて済みます。
つまり、胸をしっかり圧迫することは、あなたの体が受ける負担を最小限に抑えるための「優しさ」でもあるのです。
痛みを少しでも和らげるための「3つのコツ」
マンモグラフィの撮影にかかる時間は、片胸につき数分、全体でもほんの数十分です。
その短い時間を少しでもラクに乗り切るためのコツをご紹介します。
- 受けるタイミングは「生理が終わってから」
生理前は女性ホルモンの影響で胸が張ったり、痛みに敏感になったりしやすい時期です。
生理が始まってから1週間〜10日後くらいの、胸が一番柔らかい時期を選んで検査をするのがおすすめです。
- 撮影の瞬間は、肩の力を抜いて「ふーっ」と息を吐く
緊張して体に力が入ると、筋肉が硬くなって痛みを強く感じやすくなります。
機械に体を預けるイメージで、肩の力をストンと抜き、深呼吸を意識してみてください。
- 「痛みが怖いです」と事前に伝える
検査を担当する技師(多くの病院で女性技師が担当しています)に、事前に不安な気持ちを伝えてしまって大丈夫です。
「ゆっくり挟んでいきますね」「声をかけながらやりますね」など、あなたのペースに合わせて丁寧にサポートします。
まとめ
あなたの大切な体を守るために、まずは「怖くて迷っている」という気持ちを、お近くのクリニックで相談してみてください。
私たちはいつでもあなたをサポートします。



