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遺伝性の乳がん

2018年5月8日

乳がんを引き起こす要因には、食生活や飲酒、喫煙などの生活習慣からくる環境因子と親から受け継がれ、生まれつき持った遺伝的因子によるものがあります。
遺伝性乳がんは、乳がん全体の7~10%といわれており、遺伝性乳がんの中で最も多くの割合を占めているのがBRCA1またはBRCA2の病的変異による遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)と分かってきました。
国内では2018年7月にPARP阻害薬のコンパニオン診断としてBRCA遺伝的検査が保険適用となり、2020年4月には一定の条件を満たした乳がん、卵巣がん患者さんに対しても保険適用が拡大しカウンセリングや未発症の乳房や卵巣卵管を予防的に切除するリスク低減手術が可能となりました。
あなた自身の家族歴を確認いただき、遺伝性の乳がんが心配な方はお気軽に医療スタッフにお尋ねください。

BRCA1,BRCA2遺伝的検査の保険適応条件

・がんの治療において、分子標的薬オラパリブの適応かどうかを判断する場合
・45歳以下で乳がんと診断された
・60歳以下でトリプルネガティブの乳がんと診断された
・両側の乳がんと診断された
・片方の乳房に複数のがん(原発性)を診断された
・男性で乳がんと診断された
・卵巣がん・卵管がん・腹膜がんと診断された
・ご自身が乳がんと診断され、血縁者※に乳がんまたは卵巣がん発症者がいる

※血縁者の範囲:父母、兄弟姉妹、異母・異父の兄弟姉妹、子ども、おい・めい、父方のあるいは母方のおじ・おば・祖父・祖母、大おじ・大おば、いとこ、孫など

上記に当てはまらなくても、既往歴や家族歴等からHBOCの可能性が考えられることがあります。その場合、BRCA1、BRCA2遺伝学的検査は保険が適応されず、自費診療となります。詳しくは、医師または医療スタッフにお尋ねください。