乳がんになったら
家族や周囲に伝えることで、
サポートを受けましょう。
乳がんの告知を受けることはとてもつらいことです。不治の病ではなくなりつつあるものの、診断を受けたときは頭が真っ白になり、冷静な判断ができないこともあります。乳がんにかかったことを家族や周囲の人に伝 える際も、多くの方が悩むものです。ご主人やパートナーには、素直に事実を伝えお互いの気持ちを確かめ合い、家事や育児の協力を求めることも必要です。また子どもに伝える際には、年齢や理解度に応じて伝え方を工夫することが大切です。その際、乳がんであること、うつる病気ではないこと、誰かのせいで病気になったわけではないことをはっきりと伝えましょう。
できるだけ早い段階から周囲の人を巻き込みサポートを受けることで、治療が継続しやすくなります。皆で治療に参加するという意味でも、今後の治療方針の説明の際にご家族に同席していただくことも推奨しています。
人に伝えることを躊躇することもあります。当院では、誰にどうやって伝えるか、その伝え方のサポートもおこなっております。
職場の理解を得ながら、
働き続けることを目指しましょう。
早まって貴重なキャリアを中断してしまう必要はないことを最初にお伝えします。
乳がんの告知を受けたあと、今後の治療の説明をするまでの期間に仕事を辞められる方が多くいました。がんは不治の病というイメージから、動揺するあまり退職を考えてしまいます。しかし、乳がんは治癒を見込むことができる場合が多く、むしろ長く付き合っていく病気です。
職場の信頼できる人に伝え、知ってももらうことで長く仕事を続けることもできます。当院では、職場への説明がしやすいよう治療の計画書もお渡ししています。どうやって伝えるかは患者さまの判断ですが、どのようなサポートを受けたいのか、何ができて何ができないのかを適切に伝えることで、職場と患者さまの双方が納得できる環境を整えることが重要だと考えています。
また、病院のがん相談支援センターや支援団体の方に話すことで、乳がんと付き合いながら就労することを前向きに考えていくのも良いでしょう。
正しい知識を身につけ、
納得して治療に臨みましょう。
今はインターネット上に、乳がんやその治療に関する情報が氾濫しています。効果が見込めない治療薬や代替治療などの不確かな情報を鵜呑みにせず、まずは私たちにご相談ください。困ったこと、悩みがあったら医師や看護師に話してください。
標準治療の正しい知識があれば、自身の気持ちや今後のことが整理しやすくなります。悩みを抱え込んでがんを放置せず、皆で一緒に治療に臨みましょう。
乳がんを発症したという事実を受け止め、自身が納得して治療を進めること。それが最も大切です。治療の過程では、状況や思いが変化することもあるでしょう。それでも、ご自身が納得するまで話し合い、考えた上での経過であれば前向きに向き合っていくことができると思います。
あなたが乳がんになったとき、大切なこと
- 家族や周囲の人に伝え
必要なサポートを受けること - 仕事を辞める前に医療者と共に
どうしたら続けられるか考えること - 代替治療など、インターネット上に
溢れる情報に惑わされないこと - 再建手術や薬物療法などの治療方法について
自身が納得するまで相談すること
妊よう性について
妊よう性とは「妊娠できる力」のことを意味します。
がんの治療によっては卵巣機能が抑制され、妊よう性が失われることがあります。
将来子供を授かる可能性を残すために、がん治療を受ける前に「妊よう性の温存」について考えることが大切です。
当院では、将来妊娠・出産の可能性を残したいと選択される方が希望を持てるよう支援する体制を整えています。
愛知県がん患者妊よう性温存治療費女性事業についてのご案内
愛知県では、将来子供を産み育てることを望む小児・AYA(思春期・若年成人)世代のがん患者等の皆様に、精子や卵子等の採取・凍結保存を行う「妊よう性温存治療」及び妊よう性温存治療により凍結した検体を用いた「温存後生殖補助医療」にかかる費用を助成します。
助成の内容につきましては、こちらをご参照ください。
愛知県がん患者妊よう性温存治療費女性事業>>
各種ご案内
名古屋市では、ウィッグ・乳房補正具を購入されたがん患者さんに対し、費用の助成事業を実施しています。申請から助成金交付までの流れにつきましては、こちらを参照ください。
ウィッグ・乳房補整具購入費用助成事業のご案内>>
抗がん剤治療による脱毛抑制及び、治療後の育毛を促進する目的で、頭皮冷却装置PAXMANを使用するという方法があります。ご希望がある方には頭皮冷却装置が使用できる施設への紹介を行っていますので、詳しくは医師またはスタッフへお尋ねください。
頭皮冷却装置PAXMANの導入>>
がん相談支援センター
どなたでも無料・匿名で利用できるがんに関する相談窓口で、がんの診断、治療や副作用、治療後の療養生活、お金や仕事など、どんなことでも相談できます。
がん相談支援センター>>
傷病手当金支給期間の通算化について
病気やけがにより仕事を休まざるを得ず、賃金を受けることができない場合には、傷病手当金を受給することができます。
(※会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます)
令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されるようになりました。
詳しくはこちらをご参照ください。
傷病手当金支給期間の通算化について>>