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乳がんになったら

2018年5月8日

家族や周囲に伝えることで、
サポートを受けましょう。

乳がんの告知を受けることはとてもつらいことです。不治の病ではなくなりつつあるものの、診断を受けたときは頭が真っ白になり、冷静な判断ができないこともあります。乳がんにかかったことを家族や周囲の人に伝 える際も、多くの方が悩むものです。ご主人やパートナーには、素直に事実を伝えお互いの気持ちを確かめ合い、家事や育児の協力を求めることも必要です。また子どもに伝える際には、年齢や理解度に応じて伝え方を工夫することが大切です。その際、乳がんであること、うつる病気ではないこと、誰かのせいで病気になったわけではないことをはっきりと伝えましょう。
できるだけ早い段階から周囲の人を巻き込みサポートを受けることで、治療が継続しやすくなります。皆で治療に参加するという意味でも、今後の治療方針の説明の際にご家族に同席していただくことも推奨しています。
人に伝えることを躊躇することもあります。当院では、誰にどうやって伝えるか、その伝え方のサポートもおこなっております。

仕事は辞めなくてもいいですよ

職場の理解を得ながら、
働き続けることを目指しましょう。

早まって貴重なキャリアを中断してしまう必要はないことを最初にお伝えします。
乳がんの告知を受けたあと、今後の治療の説明をするまでの期間に仕事を辞められる方が多くいました。がんは不治の病というイメージから、動揺するあまり退職を考えてしまいます。しかし、乳がんは治癒を見込むことができる場合が多く、むしろ長く付き合っていく病気です。
職場の信頼できる人に伝え、知ってももらうことで長く仕事を続けることもできます。当院では、職場への説明がしやすいよう治療の計画書もお渡ししています。どうやって伝えるかは患者さまの判断ですが、どのようなサポートを受けたいのか、何ができて何ができないのかを適切に伝えることで、職場と患者さまの双方が納得できる環境を整えることが重要だと考えています。
また、病院のがん相談支援センターや支援団体の方に話すことで、乳がんと付き合いながら就労することを前向きに考えていくのも良いでしょう。

正しい知識を身につけ、
納得して治療に臨みましょう。

今はインターネット上に、乳がんやその治療に関する情報が氾濫しています。効果が見込めない治療薬や代替治療などの不確かな情報を鵜呑みにせず、まずは私たちにご相談ください。困ったこと、悩みがあったら医師や看護師に話してください。

標準治療の正しい知識があれば、自身の気持ちや今後のことが整理しやすくなります。悩みを抱え込んでがんを放置せず、皆で一緒に治療に臨みましょう。
乳がんを発症したという事実を受け止め、自身が納得して治療を進めること。それが最も大切です。治療の過程では、状況や思いが変化することもあるでしょう。それでも、ご自身が納得するまで話し合い、考えた上での経過であれば前向きに向き合っていくことができると思います。

あなたが乳がんになったとき、大切なこと

  • 家族や周囲の人に伝え
    必要なサポートを受けること
  • 仕事を辞める前に医療者と共に
    どうしたら続けられるか考えること
  • 代替治療など、インターネット上に
    溢れる情報に惑わされないこと
  • 再建手術や薬物療法などの治療方法について
    自身が納得するまで相談すること