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産業医を活用すべきこと

2020年2月5日

産業医は、医学的な立場から労働者の健康保持増進や職場環境の改善などについて助言でき、より働きやすい職場づくりを事業者さまと一緒に考えることができます。

  • 01健康診断とその結果に基づく措置
    健康診断結果から労働者が就労できる健康状態かを確認します。産業医が個別に健康診断結果を確認し、これまでと同じ働き方で問題がないか産業医の意見を提出します。健康上の課題があり、現行の就労が危ぶまれる場合には、労働者は治療などを行い健康上の課題を軽減するように努めるとともに、事業者は安全配慮義務の観点から産業医の就業に関する意見を踏まえ、労働者の働き方を検討します。また、健康診断は生活習慣病の予防と治療の契機にもなります。早期に対応を行うことは、現時点での病気の改善だけでなく、病気の進行や悪化を防ぎ仕事を継続できる体調の維持につながります。検診結果に基づき産業医が医療機関への受診勧奨や保健指導を行います。
  • 02治療と仕事の両立支援
    治療をしながら就業する労働者と面談し、医学的見地から就業の可否や適正な就業上の配慮について助言を行います。本人はつい無理をしがちで、病気が悪化してしまうこともあります。事業者が産業医に適切な意見を求めることで、適切な治療を受けながら安全に就労を継続することができます。
    ※とくにがん患者の両立支援につきましては、「がん就労を考える会」の発起人として積極的に関わってきました。医療機関との連携だけでなく、事業所内で他の労働者からの不平等感がないよう、また、企業としてリスクとならないよう、さらに当該労働者の就労意欲を失わないような調整支援を心がけます。
  • 03ストレスチェック制度や
    長時間労働者への対応
    事業場のメンタルヘルス対策の一次予防を促進する目的でストレスチェック制度が定められています。ストレスチェックによりストレスが高いと判断された労働者が申し出た場合は産業医が面接指導を担当します。なお、長時間労働は脳心疾患や精神疾患のリスクとなり、労災認定の要件にも含まれます。過重労働による健康障害を防止する観点から、また、会社のリスク管理の観点からも長時間労働の従業員に対する「健康リスクの評価と対策」について産業医が果たす役割が大きくなっています。
  • 04職場巡視
    産業医が職場巡視をする目的は2点に大別できます。1つ目が「健康な労働者が、会社で働くことにより健康状態を悪化させないようにする」こと、2つ目が「病気を持っている労働者が、会社で働くことによりその病気を悪化させないようにする」ことです。産業医は医学の視点から労働者を個別に診るだけでなく、職場を併せてみることにより、これらの目的を遂行します。
  • 05衛生委員会
    産業医は衛生委員会のメンバーです。委員会では、健康管理体制や職場環境、働き方について審議されますが、その際に医学的な立場から助言を行うことができます。
  • 06情報管理
    健康情報の取扱いには細心の注意が必要です。職場で病気が悪化しないように配慮をする場合は、ある程度、職場への説明と理解が必要ですが、同時にプライバシー保護の配慮も必要です。健康情報の開示について労働者の同意をとりつつ、産業医が医療情報を適切な形で加工し、従業員の健康状態をわかりやすく人事や上司などに説明することで、労働者の個人情報へ配慮をしつつ、就業上の配慮や職場環境の改善を適切に行うことができます。